VOICE

2024.08.05 | Partner’s Voice

interview:Made in Japan  生地作り編

今回は、YARNの生地づくりを担っていただいている大橋ニット株式会社の大橋さんにお話をうかがいました。

 

会社の概要を教えてください。

大橋ニット株式会社は素材となる糸を提供いただいて、糸から生地にする工程を担っています。糸には綿やポリエステル、ウールと色々なものがあるのですが、それらを組み合わせることによって、用途に応じて様々な生地に仕立ててゆくことを担っています。

 

丸編みという製法について教えてください。

手で編む編み物のイメージに近いです。それを機械に置き換えてやっているのですが、ループを連続させてゆきます。ループがあってその次の糸がまたループがあってというカタチで、ループを繋げてゆくのが丸編みニットです。

 

メリノウールの生地をつくることの難しさについて教えてください。

YARNの生地をつくるにあたって、メリノウールの糸が非常に細いことが最初のハードルでした。ポリエステルの場合は、同じ番手(太さ)をつくったとしても、糸に伸度があって編めてしまうのです。一方で、メリノウールは天然の素材なので、全部が均一の品質ではないのです。途中にちょっと硬いところがあったり、細いところがあったりするのがウールです。それを均一のテンションをかけて、いかにムラがないようにするか、穴にならないようにするかが難しいところです。テンションのかけ具合によって生地の善し悪しが決まってきますので、そこを問題なく編むことに苦労しました。

 

 

試作を繰り返してゆく中で、苦労したことはありますか?

編む機械も密度の粗いものから、細かいものまで様々あります。YARNは見た印象といいますか、表面も美しいものをつくりたいということで、私たちの所有する機械の中で、できるだけハイゲージ(編み目が細かく密度の高いもの)を使用しています。ハイゲージを使用することによって、編むことに関しては、実はもう一歩ハードルが上がります。そのハードルを何とか越えようと様々な調整をしながら、やっとここまで来ました。

 

メリノウールという素材を扱ううえで気を遣うこと、難しさはありますか?

これまで私たちが扱っていたウールは、すごく太いものが多かったんです。通常であれば48双糸とか、60双糸をメインにやっています。基本的には双糸よりが多くて、それは単糸は編みづらいからなんです。編むまでに糸が切れてしまったり、編んでから穴が開いたりってことが発生しやすい。YARN60単糸なのですが、それをいかに編めるかということで機械のセッティングを1から見直しました。

 

メリノウールの生地の風合いをどのように感じられましたか?

あくまで生機(染色や仕上げ加工をする前の布生地)の段階ですけれども、すごく薄くて軽くていいものができたなと思っています。また仕上がりを見せていただいて、自分でもメリノウールのTシャツ着てみたのですが、やっぱり違うなというか、気持ちいいですね。

 

YARNの活動についてどんな印象をお持ちですか?

私たちは糸から生地にする工程を担っているのですが、この生地が最終何になるのかってことが、全く分からないところもあるんです。そういった中で、今回工場まで来ていただいて、こういう形でつくっているということを、僕たち技術者も含めて現場に来て見ていただくことはすごくありがたいことです。一緒にモノをつくっていくっていうのが分かっていただいてて嬉しいです。

 

 

 

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