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2023.04.22
ホールガーメント工場「寺田ニット」へ訪問してきました。
昨年 12 月末の発売開始から大好評の「Tiaki /ティアキ」シリーズ。 このコレクションはひと針も縫うことなく立体的に成型する日本発の「ホールガーメント技術*」を採用していま す。*ホールガーメントは(株)島精機の登録商標です 1月に日本に帰国した際、ホールガーメント編機でティアキシリーズを編んでいただいている株式会社寺田ニットさんへ訪問してきました。 美しい自然につつまれた富士の麓、山梨県に工場がありました。 創業は昭和 50 年。廃業するニット工場が増えてくるなか、将来にわたって事業を継続して ゆくためホールガーメント編機に出会ったのは 22 年前のこと。 日本国内で2番目の導入だったそうです。株式会社島精機さんと二人三脚での改善を繰り返し、使いこなせるようになるまでに約 2 年をかけ今の技術の基礎ができました。そのなかでもハイゲージに特化した モノづくりは寺田ニットでしかできない技術。そのノウハウが YARN のクオリティを支え てくださっています。 実際に工場の現場でホールガーメント編機を見学させていただきました。 下準備したウールの糸と、デ ザインデータをセットしてから約 60 分。コンピュータで設計したデザイン通りにニットがホールガーメント編機から出力される様子は、正にニットの 3D プリンターという感じで驚きました。 機械はハイゲージ用、ローゲージ用というように、編み目の大きさに合わせて作られています。 ハイゲージ用は細い針がずらりと3000本並んでいて、それが巧みに動き立体的にニットが編み上がってきます。 YARNのの製品は17マイクロンの極細糸を使用しハイゲージで編み立てます。これに対応できるニット機は世界でも数が少なく精密なもので、調子を整えたりメンテナンスにとても気を配っているとのこと。 細かな糸くずが混入したり埃が詰まってしまうと機械が動かなくなってしまう、取り除くだだけでもとても時間がかかることなど、特殊なホールガーメント 機を扱うには経験と熟練の腕が不可欠ということを知りました。 寺田社長は、世の中がより安い服を求めた結果、昔と比べて良いものが少なくなってきたと感じていたそうです。大量に服をつくって大量に廃棄する、そんな悪循環から脱却するため、6 年ほど前から自然素材を着ることの大切さを考えていました。 「地球環境に優しく、カラダに良い素材にこだわってモノづくりをしたい。お客様が心地よく、幸せな気持ちなってもらうこと。それがモノづくりをする私たちの意義です。」そんな 想いは YARN と共通するところ。モノづくりのパートナーが同じ価値観でいてくださることが本当に嬉しかったです。 寺田社長がこれまで何年も何十年もかけて積み上げてきた技術と想い。これからも、さらによいニットをつくりたい、追求し続けたい、誰も成し遂げていないことにチャレンジしたいという探究心とエネルギーであふれていました。 そして日本の豊かな自然環境を守ること、これからの地球環境に負担をかけないものづくりのあり方を模索すること、行動に移していくことを話されました。 寺田ニットの現場の皆さんはそれぞれのポジションで経験をたくさん積んだプロフェショナル。 細やかな配慮があってこそ、着る人のことを考えたやさしい製品ができるのだと思いました。 日本人に根付く、相手を思いやる気持ちがもの作りにも反映されるのだと思います。 ホールガーメント技術はカラダにも、地球にも優しい技術。 この技術を活用して YARN は、現在のものづくりの現実と課題を知ること、必要な量だけを製造し地球環境の未来も「ずっと優しく」守り続けたい。そんな思いから Tiaki シリーズを発表しました。 自分の行動が環境にどんなインパクトを与えるのか、自然の美しさを受け継いでいくために自分にできることは何なのか、そんなことにも思いをはせていただけますと幸いです。 YARN はこれからもホールガーメントを活用した、コレク ションやラインナップを企画してゆきたいと考えています。 -
2023.04.15
一枚で完結するアンダーウェア YARN のブラトップ
緑の新芽がまぶしく生命力が溢れる空気を胸いっぱいに吸い込みたくなる、そんな季節がやってきまし た。 冬の間に着こんでいた服を一枚一枚脱ぎ捨てて、よりリラックスし伸びやかに体を動かしたくなっ てきますね。 ふぅっと優しく息を吐くように呼吸する YARN のアンダーウェアは、あるがままの心地よ さを後押ししてくれます。 ブラジャーの締め付けから離れてリラックスモードへ。 かさばらず旅行でも重宝するブラトップで本来 の自分に戻り、軽やかなときを過ごしましょう。 ファンテイル・ブラキャミソール つるりとシルクのような滑らかさと、さらりとした肌心地のファンティル。締め付けがなく程よいフィ ット感は、一枚で美しく重ね着をしてもたつかずに着ることができ、一年を通して気持ちよさが続きま す。汗のべたつきや匂いを気にすることなく、秋冬は重ね着アイテムとして寒さから体を守り温かさを 保ちます。 バスト部は胸パット入れ仕様で3重仕立てになっています。パットを入れずにリラックス、お出かけの 際はパットを挿入してお使いいただけます(商品に胸パットは付属していません)。 ゴムが入っているのはフロント部のみで、アンダーゴムの締め付けを感じず優しい着心地です。 背中部分は一枚仕立てになります。段差がなくすっきりと着用いただけます。 肩ストラップは長さの調整が可能で、ずり落ちる心配がありません。 縫製には縫い目が肌にあたるストレスを軽減する、フラットシーマ縫製を採用しています。 上品なつや感ときれいに落ちるドレープが上質さを演出します。シンプルでエレガントなシルエットや、 細身のストラップと縁取りが、爽やかなアクセントとなったデザインです。 ロト・ブラタンクトップ 超軽量・極細のスーパーエクストラファインメリノ 100%使用。着ていることを忘れてしまうほどの薄さ と軽さは、肌と一体に感じるほどです。みずみずしさや、潤いが肌に浸透していく感覚を肌と一体に感じ る、透け感ある薄手のブラタンクトップです。 湿度・温度を調節し、速乾機能で蒸れやベタ付きを防止します。こころとカラダが自然にリラックスし て、日常に潤いをあたえます。 バスト部は胸パット入れ仕様で3重仕立てになっています(商品に胸パットは付属していません)。パッ ドを外せばタンクトップになり、お持ちのブラジャーとあわせることも可能です。 ゴムは正面から背中までぐるりとあり、前は3重、後ろは2重仕立てになっています。 ブラジャーとタンクトップを一枚で兼ねてバストを優しくホールドし、バストの形やブラジャーの透けを気にせず着用できます。 背中を広く覆う生地は滑らかな伸縮性があり、体のストレッチを邪魔しません。背中に柔らかく触れる ロトの感触は、心を穏やかに導いてくれます。 優しい肌触りで、重ね着しやすいスリムフィット。霜降りのテキスタイルがニュアンスを与えてくれま す。通年のアンダーウェアとして快適に過ごせます。 ブラをしたくないオフの日やヨガ・ストレッチといった運動時に、伸びやかに動きしっとりさらりとし た感触を身にまとう幸福な時間。素肌に気持ちよさを感じ、心と体を開放して本来の自分らしさに戻れ るように。YARN のブラトップシリーズで、心地よさで包まれた日常をお過ごしください。 -
2023.02.20
「ギャルリももぐさ」にて、YARN 初のスライドトークをしました。
岐阜県は多治見市にある「ギャルリももぐさ」にて開催した企画展「百草冬百種展」の初日にスライドトークをさせていただきました。 テーマは「ニュージーランドから~YARNのものづくり」 開催にあたり、ももぐさのオーナーのあきこさんから、以下のようなご紹介のメッセージをいただきました。 「2011年ニュージーランドに移住された下山陽子さんが、このような思いに至りYARNを始められたお話やどのようにそのシステムが成り立っているかなど、是非聴きたい、と思いました。130年も前から女性参政権が導入され、先住民の議席もある国。羨ましい若く知的な女性首相。YARNの製品を通じて、自然との共生、子ども達に残せるより良い未来を生きていくヒントがあるのではないかと思います。」 ※全文は以下リンク先 百草冬百種展 2023|ギャルリももぐさ (momogusa.jp) このメッセージをうけて、私に何が伝えられるだろう?私にしか伝えられないことは何だろう?と考え、以下の4部の構成にすることにしました。 1)YARNとメリノウール 最初に私がYARNを立ち上げた理由や、メリノウールそのものの魅力、中でもYARNが採用している「ZQ認定メリノ」についての特徴をお話したいと思いました。チクチクしない優しい肌ざわりのこと、冬に温かいのはもちろん実は夏に涼しいこと、潤い・湿度を調整できてさらっと快適なこと、消臭効果やUVカット機能もあって、洗濯機で洗えてすぐ乾くことなど、日本にまだまだ伝わっていないと感じていた、メリノウールのたくさんの魅力です。 2)ファッションと社会課題 次にファッションが抱えている課題お伝えしたいと思いました。例えば、日本では人口が減少するなかでも、服が年間35億着も供給されていること。毎年48万トンが可燃・不燃ごみとして焼却・埋め立て処分されていること。海洋マイクロプラスチック問題の35%が合成繊維の洗濯であること。日本の繊維産業は30年前の1/4にまで衰退していること。経産省や環境省の調査データをもとに私たちが今直面している事実を伝えたいと思いました。 3)YARNが提供できる価値 そんな中でYARNは何ができるのか。以下の5つの約束をお話させていただきました。 1.ニュージーランドの自然の恵みであるメリノウール 2.Made in Japanのデザインとクオリティ 3.生産者の顔が見える安心のトレーサビリティ 4.自然・人・社会の未来を紡ぐサスティナビリティ 5.野鳥を保護する寄付活動 4)ニュージーランドの日常 最後は、ニュージーランドの大自然や、その中での暮らしや文化、教育の在り方、先住民のマオリ族の考え方や、多民族の多様性を受け入れる懐の深さなど、私自身の日常の生活風景写真を切り取りながらお話させていただきました。 YARNにとっても、私にとっても初めてのスライドトークでしたので、ドキドキしながらスタートしましたが、約1時間楽しんでお話することができました。参加いただいたお客さまのたくさんのご質問や、温かいお言葉、優しい笑顔が今でも記憶に残っています。 (以下、ももぐさのインスタグラムより) 昨日は企画展「百草冬百種展 2023」開催にあたり、ニュージーランドのメリノウールを使用したインナーウェアを展開しているYARNの下山陽子さんにお話を伺いました。 YARNの製品の1番の特徴である、メリノウールについてや、豊かな自然に囲まれたニュージーランドの様子を伝えていただきました。 ニュージーランドは野鳥や自然の保護に力をいれており、中でも、洗濯をすることにより、化学繊維から目に見えないマイクロプラスチックが海に流れ出しているというお話を聞いて衝撃をうけました。 着心地や機能性はもちろんのこと、サスティナブルなモノづくりをするYARNの理念にもぜひ注目していただきたいです。 ------------- YARNの活動をお話することで、心地よく豊かな生活をおくるきっかけになったり、環境に配慮する大切さへの気づきだったり、女性の起業を後押ししたり、何かの一助になっていたら幸いです。 また、このような機会をいただけるのでしたら、今後も積極的にお話できればと思いました。お気軽にお声がけいただけましたら幸いです。